生き方の仮説と検証
自分を被験体にした「思想の実装実験」

自分を知る方法は化学物質の同定と似ている
自分を被験体にした「思想の実装実験」
これは「人はどうすれば自分の使い方を見つけられるのか」という問いに対する、ひとつの仮説検証です。
仮説:人は“内省”ではなく“反応”によって理解できる
学生の頃から「人を理解する方法は化学物質に似ている」と考えてきました。可燃性があるか、溶けるか、何と反応するか。物質は単体で眺めていても性質は分からず、環境に置いたときの反応によって正体が見えてきます。人も同じだと考えました。立ち止まって自己分析をしても、自分の本質は見えてこない。重要なのは、外部との接触によって生まれる反応を見ることです。
実装方法:意図的に環境を変え、反応を観察する
そこで、自分自身をさまざまな状況に置いてきました。制作、イベント、場づくり、無理のある依頼、頼らざるを得ない状況。ときには生活基盤が不安定になるような極端な環境にも身を置いてきました。
狙いは「頑張ること」ではない。同じ状況でも、人によって「何に違和感を覚えるか」「何を優先するか」「どう関わろうとするか」が異なる。その差分こそが、思考の癖であり、役割の輪郭です。強い環境ほど、その癖は隠せない。ただし極端である必要はなく、複数の状況で反応を観察し続けることで、パターンは十分に浮かび上がります。
観察結果:一歩引いた編集と、意味づけによる介入
検証を重ねる中で、共通して現れた反応がありました。
・前に出て引っ張るより、全体を俯瞰して整理する
・他者の言葉や意図を翻訳し、構造として整える
・強く主張するより、静かな介入で場を前に進める
「一歩引いた編集 × 意味づけ × 静かな介入」。
このポジションはあまりにも中間的で、気づくまでに時間がかかりました。AIにこれまでの経験と思考を入力し、言語化されたことで、ようやく輪郭がはっきりしました。
弱者戦略としての仮説検証
この検証は、弱者戦略でもあります。何も持っていなかった自分には、失うものがないので環境を変えるのに抵抗がなかった。家や肩書き、安定を持たない状態で動けたのは、仮説を検証するには好条件です。「何もない人間」が、自分を被験体として思考を実装し、自分の使い方を見つけられたら、誰かにとって再現可能な示唆になります。
その後、人に影響を与えるきっかけ作り
これは「問いを立て、場で試し、反応から学ぶ」という仮説検証のプロセスそのもの。個人の人生を素材にしていますが、ユーザーリサーチ、体験設計、サービス初期の仮説検証と同じ構造です。今後は自分の役割を意識しながら、プロジェクトやチームの中でより実践的に機能する形へ磨いていきたいと考えています。
2026/1/1




